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舞い降りた天使
第15章 真実

GPS
俺の脳裏に
その文字が浮かんでいた
真穂はその携帯に
何の未練もないように
一度も躊躇うことなく
全く振り向くこともしないで
歩き出していた
監視されてるのか…
真穂はまだ軟禁まがいなことをされてるのかも知れない
そう思うと
怒りがこみ上げてくる
けど
監視されているにもかかわらず
俺に付いてきてくれる真穂のことが心配だ
バレたらどうなるか分からない
それに
旦那を裏切るようなことをするほど
毎日辛い思いをしてるんじゃないだろうか
だから
俺に電話をしてきたんじゃないのか…
とにかく早く
真穂と二人きりになって
話を聞きたい
その思いから
俺の歩くスピードは
どんどん早くなっていった
駐車場に到着すると
俺は先に車に乗り込んで窓ガラスを開け
追いついた真穂に
「後ろに乗って」と声をかけた
すると真穂は
小さくうなずいて後部座席に乗り込み
シートに深く身体を沈めながら
静かにうつむいた
「真穂」
「…なに?」
「ラブホの場所、案内できる?」
「多分」

