この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
舞い降りた天使
第19章 別れ
他人の子供…
電話を切ったあと
その言葉が
俺に重くのしかかっていた
姉ちゃんは
何が言いたかったんだろう
駿太は
俺の子供ではないけど
姉ちゃんの子供で
他人ではない
駿太とさっちゃんは
やっぱり違うんだと言いたかったんだろうか…
職業柄
姉ちゃんは色んな人と接する分
ダークなこともよく目にする
きっと
俺が選択しようとしている生き方をして
辛い思いをしてる人を見てきたんだろうな…
いや
待てよ
俺じゃ…ないのか?
俺じゃなくて
さっちゃんのことなのか?
俺は
ハッとして
思わず目を見開いた
『他人の子供』
言いかえれば
『親が他人』
そうか…
さっちゃんこそが
これから心痛めることがあるかもしれないんだ
だから
それを癒して守っていけるよう
俺がしっかりしないといけないのか
今何ができるかなんて
ほんと
何甘い事言ってんだ俺は
こんなことしてる場合じゃない
まだ
さっちゃんに親だと認めてもらった訳じゃないけど
そうなった時
すぐにでも親になれる準備
しなきゃな
「よしっ!」
その時
俺をまとう空気は
さっきまでとは全く違うものになっていた
重く
ジメジメしたものから
熱くて突き抜けるように軽い空気へと。