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舞い降りた天使
第20章 返信
「さっちゃん
そろそろ終わりにしようね。
お母さんに代わってくれる?」
真穂の小さな声が聞こえると
さっちゃんは
慌てて真穂に「もう少しだけ」と伝えた
「あのね、タクニイにお願いがあるの」
ん?お願い?
「どんなお願い?」
「あのね
看護婦さんのお兄ちゃんと
お話ししたいの」
「駿太のこと?」
「うん。だめ?」
どうしたんだろう
どうして駿太と…
真穂はそのお願いを知らなかったのか
さっちゃんに首を横に振って見せた
きっと
迷惑だと思ったに違いない
俺も駿太も
迷惑だなんて全然思ってないのに
「いいよ。
駿太も話したいって言ってたんだ。
駿太に電話してもいい日を聞いとくよ」
「ほんと?!」
「嘘じゃないよ。
お母さんに電話番号教えるから
お母さんに代わってくれる?」
「はーい!」
「もしもし」
真穂は
少し困ったような顔で
電話を代わった
「迷惑なんかじゃないから」
「でも…」
「駿太も気にしてるんだ。
さっちゃんのこと。
だから
話せるって言ったら
きっと喜ぶ」
「……」
「甘えてくれよ。
俺は真穂とさっちゃんのために
なんでもしてやりたいんだ」
「…うん…ありがとう」
「じゃあ、次の電話までに
駿太の都合聞いとくから」
「うん」
「それから…」
「ん?」
「真穂のせいじゃないからな?
俺だって転校したら
学校行くの度胸いると思うぜ?」
「…うん」
「今はまだ焦んなくていいと思う。
本当に病気だと思えばいい」
「わかった」
「それから…」
「それから?」
言うのはやめようと思っていた
でも
どうしても
真穂と
見つめ合いたくて…
「さっちゃんにバレないように
聞いて欲しいんだけど
少し先にある
靴屋の店、わかる?
俺
そこに居るんだ」
「たっ………」
言葉を失った真穂と
俺は
見つめ合っていた
そして
『巧』と言いそうになって
言葉を止めた真穂は
今にも泣き崩れそうで
電話越しには
息を飲み込む音が聞こえた
「ごめん…
離れたところからでも
真穂とさっちゃんを
見たくて…
絶対に
近寄ったりしないから
ごめん…」
そろそろ終わりにしようね。
お母さんに代わってくれる?」
真穂の小さな声が聞こえると
さっちゃんは
慌てて真穂に「もう少しだけ」と伝えた
「あのね、タクニイにお願いがあるの」
ん?お願い?
「どんなお願い?」
「あのね
看護婦さんのお兄ちゃんと
お話ししたいの」
「駿太のこと?」
「うん。だめ?」
どうしたんだろう
どうして駿太と…
真穂はそのお願いを知らなかったのか
さっちゃんに首を横に振って見せた
きっと
迷惑だと思ったに違いない
俺も駿太も
迷惑だなんて全然思ってないのに
「いいよ。
駿太も話したいって言ってたんだ。
駿太に電話してもいい日を聞いとくよ」
「ほんと?!」
「嘘じゃないよ。
お母さんに電話番号教えるから
お母さんに代わってくれる?」
「はーい!」
「もしもし」
真穂は
少し困ったような顔で
電話を代わった
「迷惑なんかじゃないから」
「でも…」
「駿太も気にしてるんだ。
さっちゃんのこと。
だから
話せるって言ったら
きっと喜ぶ」
「……」
「甘えてくれよ。
俺は真穂とさっちゃんのために
なんでもしてやりたいんだ」
「…うん…ありがとう」
「じゃあ、次の電話までに
駿太の都合聞いとくから」
「うん」
「それから…」
「ん?」
「真穂のせいじゃないからな?
俺だって転校したら
学校行くの度胸いると思うぜ?」
「…うん」
「今はまだ焦んなくていいと思う。
本当に病気だと思えばいい」
「わかった」
「それから…」
「それから?」
言うのはやめようと思っていた
でも
どうしても
真穂と
見つめ合いたくて…
「さっちゃんにバレないように
聞いて欲しいんだけど
少し先にある
靴屋の店、わかる?
俺
そこに居るんだ」
「たっ………」
言葉を失った真穂と
俺は
見つめ合っていた
そして
『巧』と言いそうになって
言葉を止めた真穂は
今にも泣き崩れそうで
電話越しには
息を飲み込む音が聞こえた
「ごめん…
離れたところからでも
真穂とさっちゃんを
見たくて…
絶対に
近寄ったりしないから
ごめん…」