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舞い降りた天使
第20章 返信
その俺の声に驚いた駿太は
「何何何!」
と俺をゆすった
「え、マジで?!
それちゃんとしたやつ?」
そんな駿太を俺は放ったまま
真穂と話を続けた
「うん。
ちゃんと確認してもらったの。
多分大丈夫って
だから
離婚できるかもっ…っ…」
「真穂
よかったな
よく頑張ったよ
ほんと…よかった…」
それから真穂の鳴き声が
しばらく続いていた
俺もつられて泣くんじゃないかと思ったんだけど
意外とそんなことはなく
俺は
ただただ驚いていた
いやもちろん嬉しい
けど旦那が
あっさりと離婚に応じたことに
違和感を感じていたんだ
すると駿太が俺の耳元で
「タクニイなんだよ」
と囁き
「離婚届、きたって」
って返事をすると
駿太は目を丸くして
口元手で押さえた
「真穂、大丈夫?」
「…っん…ごめん、大丈夫
…ホッとして…」
「うん、俺もホッとしたよ」
「いつまでこんな生活が続くのかなって
…すごく…苦しかったから」
「俺も…そう思ってた」
俺にとっても
真穂と会えない生活が
これ以上続くのは
本当に耐えがたい事だった
けどそれももう
今日で終わりになる
それなら今すぐに
真穂に会いたい
真穂に触れたい
好きだと
何度でも伝えたい
けど…
俺の目の前には
駿太がいた
くっそ
こんな時に中二が俺の部屋に…
「巧くん」
「あ、うん、何?」
「離婚届はお母さんに
宅急便で送ってもらって
明日の午前中に届く予定なの。
受け取ったら
そのまますぐ届出に行くつもり」
「わかった。
じゃあ俺も一緒に行くよ」
「えっ」
「もういいだろ?
会っても」
「…うん」
「俺も行くから」
「…ありがと」