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エメラルドの鎮魂歌
第1章 罪と嘘のプレリュード

「まあ!瑞葉さん…!」
寝台に上半身を起こして座っていた千賀子が八雲が抱いた瑞葉を見て、嬉しそうに微笑った。
千賀子の腕の中には純白のおくるみに包まれた赤ん坊が眠っていた。
「こちらにいらして、瑞葉さん。
…あなたの弟が生まれたのよ」
瑞葉は母親に声を掛けられて、恥ずかしそうに…それでも小さな身体一杯に喜びを漲らせ、八雲を見上げた。
エメラルドの瞳がきらきらと輝くのを微笑ましく感じる。
「…まいりましょう、瑞葉様」
八雲は瑞葉を抱いたまま、千賀子の寝台に歩み寄る。
「…あかちゃん…おとこのこ?」
八雲の腕の中から、おくるみに包まれた赤ん坊をまじまじと見つめる。
「ええ、あなたと同じ男の子よ…」
…赤ん坊の髪は、金髪ではなかった。
やや明るい色ではあるが、それは琥珀色に近い色であった。
うっすらと開けられた瞼から覗く瞳の色もまた琥珀色であった…。
瑞葉の小さな声が、八雲の胸元から聞こえた。
「…あかちゃん…かみ、みずはとちがういろ…。
おめめのいろも…ちがう…」
八雲ははっと息を飲んだ。
千賀子が何か言おうと口を開いたその時…。
寝室の扉が開き、居丈高な声が部屋に響き渡った。
「やっと生まれたそうね、千賀子さん。
…今度は当たりか外れか…じっくりと見せていただくわ」
寝台に上半身を起こして座っていた千賀子が八雲が抱いた瑞葉を見て、嬉しそうに微笑った。
千賀子の腕の中には純白のおくるみに包まれた赤ん坊が眠っていた。
「こちらにいらして、瑞葉さん。
…あなたの弟が生まれたのよ」
瑞葉は母親に声を掛けられて、恥ずかしそうに…それでも小さな身体一杯に喜びを漲らせ、八雲を見上げた。
エメラルドの瞳がきらきらと輝くのを微笑ましく感じる。
「…まいりましょう、瑞葉様」
八雲は瑞葉を抱いたまま、千賀子の寝台に歩み寄る。
「…あかちゃん…おとこのこ?」
八雲の腕の中から、おくるみに包まれた赤ん坊をまじまじと見つめる。
「ええ、あなたと同じ男の子よ…」
…赤ん坊の髪は、金髪ではなかった。
やや明るい色ではあるが、それは琥珀色に近い色であった。
うっすらと開けられた瞼から覗く瞳の色もまた琥珀色であった…。
瑞葉の小さな声が、八雲の胸元から聞こえた。
「…あかちゃん…かみ、みずはとちがういろ…。
おめめのいろも…ちがう…」
八雲ははっと息を飲んだ。
千賀子が何か言おうと口を開いたその時…。
寝室の扉が開き、居丈高な声が部屋に響き渡った。
「やっと生まれたそうね、千賀子さん。
…今度は当たりか外れか…じっくりと見せていただくわ」

