この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エメラルドの鎮魂歌
第8章 エメラルドの鎮魂歌 〜終わりの序曲〜
…和葉が呉に戻り、屋敷は再び静寂に包まれた。

青山と藍はあの日以来、ここを訪れることはなかった。
八雲宛に時折来る手紙には二人の近況が書かれていたが、それを瑞葉が読むことはなかった。
手紙はすべて八雲の手により焼却されていた。

東京の空襲はいよいよ激しさを増し、食料事情は更に緊迫した。
…しかしここ軽井沢では空襲もなく、和葉の豊かな援助により、瑞葉には戦前と変わらぬ生活を送らせることができた。

八雲は、青山に密かに野菜や米を送っていた。
財産家で富裕な彼のことだから、不自由はしてはいないだろうが、あの雪の日の言葉が八雲の胸に残っていたからだ。
…君のことは友達のように思っている…と。
彼はそう言ってくれたからだ。



…そうして、やがて季節が夏へと移りゆく晩春に、その知らせはあまりに突然に二人の元にもたらされたのだ…。

和葉の乗った軍艦が敵機に撃墜され、太平洋上に沈んだとの報であった。





/281ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ