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エメラルドの鎮魂歌
第13章 エメラルドの鎮魂歌 〜エピローグ〜

朝食を終え、大学の支度をしにアトリエに入る。
鞄に画材を詰めながらふと、藍は壁に掛けられた一枚の絵を見上げる。
…藍が描いた瑞葉の絵だ…。
あの日…奇跡的に無傷で残った唯一の…。
…瑞葉…。
あれからもう三年も経ったんだな…。
藍はキャンバスの中の瑞葉をじっと見つめた。
…あの出火の日から、瑞葉と八雲の行方は杳として知れぬままだ。
奇しくもあの日、瑞葉の祖母 薫子はこの世を去った。
後継者を亡くした篠宮伯爵家は現当主 篠宮征一郎を持っていずれお家断絶の運命を辿ることとなる。
…瑞葉…。
藍は瑞葉に語りかける。
俺はまだ信じているよ。
お前が、どこかで必ず生きていると…。
…生きていたら、必ずまた会えると…。
瑞葉の美しいエメラルドの瞳は今も変わらぬ輝きを留めている。
蜂蜜色の天使のように美しい艶やかな髪…薔薇色の唇…。
…美しいひとへの片恋は、未だに藍の胸の奥底に静かに睡っている。
藍は瑞葉に笑みを投げると鞄を手に、アトリエを後にした。
鞄に画材を詰めながらふと、藍は壁に掛けられた一枚の絵を見上げる。
…藍が描いた瑞葉の絵だ…。
あの日…奇跡的に無傷で残った唯一の…。
…瑞葉…。
あれからもう三年も経ったんだな…。
藍はキャンバスの中の瑞葉をじっと見つめた。
…あの出火の日から、瑞葉と八雲の行方は杳として知れぬままだ。
奇しくもあの日、瑞葉の祖母 薫子はこの世を去った。
後継者を亡くした篠宮伯爵家は現当主 篠宮征一郎を持っていずれお家断絶の運命を辿ることとなる。
…瑞葉…。
藍は瑞葉に語りかける。
俺はまだ信じているよ。
お前が、どこかで必ず生きていると…。
…生きていたら、必ずまた会えると…。
瑞葉の美しいエメラルドの瞳は今も変わらぬ輝きを留めている。
蜂蜜色の天使のように美しい艶やかな髪…薔薇色の唇…。
…美しいひとへの片恋は、未だに藍の胸の奥底に静かに睡っている。
藍は瑞葉に笑みを投げると鞄を手に、アトリエを後にした。

