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エメラルドの鎮魂歌
第3章 禁断の愛の果実
「…あ…っ…」
…熱く…火傷しそうに熱く硬い男の牡が、瑞葉の花環の入り口に押し付けられた。

「…もう…我慢の限界です…」

髪を搔き上げられ、懇願するように熱く見つめられ、瑞葉の充血した体内が甘く疼いた。
「…挿入れますよ…。貴方の中に…」
「…んんっ…」
顎を掴まれ、濃厚な長い口づけを与えられる。
同時に馴らされた花環の入り口にどくどくと脈打つ牡の鋒が充てがわれ…じわじわと挿入される。
「…んんっ…!ああ…っ…いや…っ…」
未知の感覚に怖気付く。
痛みより恐怖で身体が硬くなる。
…と、八雲がその美しい手を差し伸べて、瑞葉の頬を優しく撫でる。

「…瑞葉様…。
貴方を…ずっと、愛してまいりました。
…貴方がお生まれになった時から…貴方を一目見た時から…。
天使のようにお美しく無垢な貴方に…私は夢中でした。
貴方以外の人間は目に入らないほどに…。
…私は…今、夢のように幸せです」

八雲の深い瑠璃色の瞳が、僅かに潤んでいた。
「…八雲…」
温かな紅茶に浸された角砂糖のように、心が甘く崩れ落ちてゆく。
…この男なら…何をされてもいい…。
自分を全身全霊で愛し、需めてくれる人間…。
そんなひとは、八雲以外はいなかった。

自分をいつも護り慈しんでくれたのは、八雲だけだった。

…母は…。
自分が廃嫡になり、屋敷を追われると知っても、ただ泣くばかりで何もしてはくれなかった…。
…母に愛されてはいないことは、分かっていた。
だから、今更傷つきはしない。

八雲は…八雲だけが矢面に立ち、自分を護ってくれたのだ。

…この男だけが、真実なのだ…。
そして、自分もこの男を…。
…愛しているのだ…。

瑞葉は自分から八雲の首筋に腕を絡め、唇を寄せた。
「…愛しているよ…八雲…。
いいよ…。痛くてもいい…苦しくてもいい…。
八雲と…ひとつになりたい…」
「…瑞葉様!」
呻くような声が漏れた。

男の牡の先端が、可憐な花環の中に入り込む。
…ゆっくりと押し拡げるように…着実に…。

「…ああ…挿入っ…て…」
指とは比べ物にならない圧倒的な質量の熱い塊に、徐々に支配される。

男に…身も心も犯される…。

…男により、身体を奪われ、支配され…変えられるのだ…。
…まるで…女のように…。

「…ああ…八雲…愛してる…」
熱い楔を打ち込まれ…胸に浮かんだのは、その言葉だけだった。



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