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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第11章 君に危害が及ぶ前に身体が勝手に動いてたんだ…
『君の為に料理を作ると言ったら、食べに来てくれるか?』
繁正さんの発言が頭にこびりつき、それ以降会社で繁正さんを見かけると妙に意識するようになってしまった。
私の為って何?
私だけにご飯を作ってくれるって意味!?
いや、良いように捉えちゃダメだ…
だって、私は写真で脅されてるセフレだから…
悶々とした気持ちのまま2週間が過ぎたが、繁正さんから「ご飯を食べにおいで」というお誘いは一切無かった。
会社では特に接点も話す機会も無く、バーにも姿を現さなくなった。
避けられているのか、私と会うのが嫌なのかと少し落ち込んだりもしたが、「繁正さんの事なんて何にも思ってないのに、どうして落ち込むんだ」と自問自答をする事も…
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気持ち的に疲れたまま迎えた週末、私は姉の運転する車で父方の実家に向かっていた。
目的は肩代わりしてくれた父の借金の返済。
振込みでも良いと言ってくれたが、挨拶も兼ねて直接渡していた。
今までは電車で行ったけど、今回からは姉も返済に協力してくれる事となり、一緒に連れて行ってもらう。