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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく
自販機が設置されている休憩スペースに足を踏み入れると、いきなり自販機で見えない死角に引きずり込まれた。
こんな事するのはただ1人…
「付いてきてたんですか?暇なんですね」
「随分楽しそうだね。今朝は元気無かったのに…」
声の調子から、イライラしてるのが伝わってきた。
「どうしたんですか?」
「舞花が男の人と喋ってる姿を見てちょっとムカついた。しかも元気になっちゃって…」
繁正さんが嫉妬してくれてる…
嬉しい…
「繁正さんだって同じじゃないですか?」
「なに?」
「篠宮さんの後任の人にベタベタされてたじゃないですか?人の事言えます?」
わざと嫉妬しているように装う。
そうすれば、お見合いに行っても気持ちが離れないと思ったから…
「舞花、嫉妬?可愛い」
「可愛くないです。あのシーンは彼女としては面白くないので、やめてほしいです」
「そうだね。次からはあまり近付かないよう彼女に注意しておくよ」