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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第20章 新しい関係
未だに動きもしない木梨社長に対し不安になり、繁正さんのジャケットの袖を掴むと「安心して」と優しく声を掛けてくれた。
「彼女に被害が出る前にやり取りを終えたかったんですがね…このような形になって残念です」
「な、何が目的なんですか…僕の無様な姿を晒しますか?取引を止めるんですか!?」
ようやく顔をあげるとジリジリとにじり寄ってきて、襲ってきそうな雰囲気に身体を縮こませた。
そんな姿勢を見ても、繁正さんは1歩も引かない。
「いえ、彼女を語っていたので、あなただけの責任ではありませんから、ここだけの話にしておきますよ。ただ、彼女だけでは無くうちの社員にも仕事以外では関わりを持たないで欲しいと思ってます。お約束していただけますか?」
「も、もちろんです…」
「分かりました。この度は僕個人のやり取りのせいで、木梨社長を混乱させてしまい申し訳ありませんでした。これ以上この場に居ると、他の社員に見つかって怪しまれてしまいます。別の人目のつかない出口に案内します」