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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第20章 新しい関係
社長に付いて仕事を学ぶ事について何も言わなかったのは、繁正さんなりに私に余計な心配を掛けないよう気遣ってくれていたのだろう。
「それもあるけど、大事な用事があったんだ」
「大事な用事?」
「そう…」
車は郊外から少し離れて、見た事の無い駐車場で停車した。
「こっちだよ」
付いて行くとその先は小高い丘になっており、都内のビル群の明かりがいくつも小さくキラキラと輝いている。
備え付けのベンチに座ると、繁正さんがポケットから何かを取り出した…
「あっ…」
「最近帰りが遅かったのは、1番舞花に似合う物を探していたからなんだ。いつまでも舞花の指で輝いてくれる指輪を…」
「繁正さん…」
小さな箱が開くと、小さなダイヤが付いた美しい指輪が…
「これからも俺の傍で居てくれませんか?」
「……」
「佐々木 舞花さん…」
「僕と結婚してくれませんか?」
「……はい」
「…ありがとう」