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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる

その日は朝から最悪だった…


『ん、ちゅっ、舞花…もっとキスしたい』
『しげ、まささ…ダメです…』
『ああっ!君が欲しくて堪らないっ!!』
『あん!やめっ…』


「………ん?」

グッと手を突き出すも目の先には何もなく、直後に猛烈な羞恥が襲ってきた。
繁正さんにキスをされて、押し倒される夢を見るなんて!

なんであんな夢を…
夜中に指舐められたから!?

ぐしゃぐしゃと髪の毛を掻いていると、時計が目に入った。

「……遅刻だ!!」

時刻は7時50分を過ぎていた。
普段ならとっくに出ている時間なのに。
死に物狂いで準備をしていたら、朝の情報番組はエンディングに差し掛かっていた。

[今日最も運勢の悪い人は…ごめんなさい、さそり座のあなた。やる事がほとんど失敗に終わりそう。焦らずじっくりと物事を進めるのが◎。
今日のラッキーメニューは「すき焼き」です!今日も一日いってらっしゃい!]

今日の運勢最悪っぽいけど、別に信じてないからいいや。

「ヤバイ、そろそろ出なきゃ!!」

…あの時少しでも信じて、占いのアドバイスをしっかり聞いていたら…



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