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第18章 女!!女って生き物
一息つこうと、予めドリンクバーで取ってきてあったアイスティーを一口飲む。
和香奈が何となく若い頃の麗子に似てるような気がして、脳内では私的な分析が繰り広げられていた。
和香奈と麗子の共通点は美人でスタイルがいい。
その割には男運が悪い。
相当男に苦労しながらも、最後にはイイ男を捕まえてしまう。
《最後に笑うのは私よ》的な勝組女。
なら歩とハルは案外似てる?
まあ、お利口さんで真面目なとこは似てるわね。
掌で転がされている振りして、実は女の方が手玉に取られてる感が否めない、所謂策士の一面も持っている賢い男だったりね。
ーー
ー
「和香奈さんみたいな可愛い子の弁当を捨てるなんて勿体無い。
例え不味くても、俺なら米粒ひとつまで残さない」
「嬉しいです〜
でも、その時作ったのはサンドイッチなんですよ〜」
「あっ、俺、サンドイッチ大好きなの。
ツナサンドが一番の好物なのよ」
「そうなんですか〜
歩さんのお父さんみたいな人だったら、お料理の作り甲斐ありますよね」
「和香奈の料理は不味いわけじゃないんだ。
や、美味いと思うよ。
けどさ、その黒歴史聞いちゃうと、無理に作れなんて言えないよな…」
とフォローを入れる歩
「一生懸命作ってくれる気持ちを大切に出来ない男なんて、辞めといて良かったんだよ」
「そうですよね。あの時はショックでしたが、これで良かったんだと思います」
脳内分析からリアルに戻れば、熱く語る聡と和香奈の会話が盛り上がりを見せていた。
まるで酔っ払い親父がホステスのお涙頂戴話に同情し、手名づけられてるような絵図に見えたりして……
『聡さん、あなたが私の一生懸命の料理を褒めちぎったのは、結婚して半年までです。
次第にあんたは味が薄いだの、レシピばっかでオリジナリティがないなど文句ばっか言うから、私も褒められない料理に対して一生懸命さは消えてゆき、手抜き上等になったんだよ!』