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第1章 Dear 聡

 そして私は振り返るーー
 
 星空の4歳のバースデーの祝いに千葉の房総のホテルで過ごした。
プールで遊びたいという星空の願いを叶えてやり、45歳にして水着姿となり子供と遊ぶのは勇気がいる。
美魔女とかマダムとか綺麗な奥さん、可愛い奥さん、カッコイイ女などに属しているのなら話は別だが、世間的にはおばさんなのだ。
色気の欠片もなくなってしまった自分を諦め、そして認めてしまってる。
開き直って、WELCOMEおばちゃんくらいのノリでいた方が楽だった。
女をさぼってしまった体型を晒す=(イコール)勇気の法則となる。

 その一方で、夫の聡は46歳にしてはスレンダーな体型を維持していた。
同世代の男性のポッコリ中年体型とは無縁な聡。
背はさほど高くないが、ルックスも甘く、目鼻立ちも整った中性的な顔は俗にいうイケメンの部類に入るようだ。

 まぁ、そんな男が私の旦那様なわけだから、おばさん街道まっしぐらの私としてはほんの少しだけ肩身がが狭い。


 親友である麗子(れいこ)には、聡との再婚は写真を添付したメールで報告していた。

 再婚した当初も今現在も、親友の麗子は夫の遥斗の転勤で長野で暮らした。
再婚したと同時に、聡は東京都下に新居のマンションを購入する。
そこから新婚生活をスタートさせた。
麗子とは直ぐに会って報告出来る距離でもなかった。

  写真には聡の隣で幸せいっぱいの私が写っていた。
タキシードの姿の聡とウエディングドレス姿の私の写真婚式したものだった。

 幸せオーラに包まれて綺麗に輝く私がいた。

 その姿のままで聡を永遠に愛すると誓ったはずだったのに……
 
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