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永遠の愛を奪って
第19章 溺愛とさよならの決心
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パソコンのキーボードに乗せていた手を止めて、椅子をくるりと回して向き合うと、デスクの上に印刷された一枚の紙をバンッと勢いよく置かれた。
ここまで雑な穂並さんを見るのは滅多にないから驚いて肩を竦める。
でも穂並さんの顔を見ると怒っているような顔つきはしていなかった。
眉にしわを寄せてはいるけど、どちらかというと困っている方の表情だと思える。
「……なんで小春まで転勤するのよ?」
「そんな話は全く聞いてないですけど……」
「これを見てそう言える!?」
しっかりと指をさしていたのは私のデスクの上に穂並さんが置いた書類だった。
それを恐る恐る手に取って見てみると“人事異動のお知らせ”と書いてあって、私の名前がそこに記されていた。
異動先の場所を見ると祐が転勤する場所とますます遠く離れてしまう地名が書いてあって目を疑う。
トイレで盗み聞きしていたことがこんなにも早く現実となってしまって驚きを隠せない。
「さっき、小春に渡すように課長から言われたのよ。小春が転勤を希望してるって言っていたって」
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