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ベストパートナー
第2章 麻衣子
 3


 今回はエッチしない。
 若い子にはついて行けない。
 ……ついて行けない。
 そう思いつつも……自動車(クルマ)をかなり走らせた。少し思う場所があった。

 そして今! 密会用ホテルの車庫に自動車(クルマ)を停めている。

 
 意志が弱いと言うか、女好きと言うか……。
 さて、ここは一階が車庫で、二階が部屋となる密会用ホテルである。
 周囲には家もなければ、コンビニも、何もない。あるのは荒れ地と畑や田んぼだけ。
 こんな場所だから、知人には見られる確率はかなり低いだろう。だからこそ、女を連れていける。


「なんか拉致されちゃったあ」


 麻衣子がふざけながら、俺を見る。
 はいはいはい……。


 自動車(クルマ)を車庫に入れると、俺はシャッターを下ろし麻衣子と階段を上がる。ドアを開け、近くのスイッチを押すと部屋が明るくなった。


「うあー! 和風モダン」


 麻衣子がはしゃぐ。
 部屋は朱色を貴重にしていて襖があり、畳がある。それでいてベッドがあり、それも朱色が主体だ。


 風呂場を覗くと味気ない浴槽に、桃色の壁一面。やはりどこか和風モダンを匂わせていた。
 

「なんだか、エロい部屋にエロいお風呂」


 麻衣子がポツリと呟いた。
 確かに……俺は頷く。そして給湯温度をやや高めに設定し、お湯の出るボタンを押す。
 勢いよくそれが出始めるの見ると、風呂場を離れた。
 

 部屋に戻ると、俺は財布から大二枚を取り出す。
 少し前に印税が入り多少は潤っているから、ここは惜しみなく使う。
 

「ありがとう! アタシ……うん」


 麻衣子がはにかむ。
 ……ん? なんだか、なんだ? 
 少し雰囲気が変だぞ。


「テル!」


 麻衣子がいきなり抱き付いた。
 俺は呆気に取られている。
 これは一体?
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