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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城
―――――――
「それが、パパだったんです。その後二人は集落に向かいましたが、集落には既に人間達はおらず、僅かに生き残った魚人たちを連れて此方に移り住みました。
そして、私が生まれたんです。
ママは禁忌を犯してしまったので此方に長くは居られなくなりました。
私は、パパと共にここを護るために残ったのです。」
「そんなことが…」
幼いピギョが、母親に甘えられず更には一族を守る大役まで任されている事に心が傷んだ。
暗い表情をしていた咲だったが、ピギョが明るく言い放つ。
「でも、世界神様が優しい方で10年に一度ママと会うことを許してくださったんですよ。」
その時に、ディラ達とも出会ったという。
「皆さん、本当に優しくしてくれて…」
フワリと微笑むピギョが本当に幸せそうだった。
タチバナ!やるじゃない♪
何だか、咲はタチバナの優しさに嬉しくなって一緒に微笑んだ。