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幸せ時間
第3章 チャラ男





「花音ちゃん、どしたの?」


雅人があたしをシーツにくるんでぎゅっと抱きしめた



雅人の首に抱きついて
ぽつりぽつりと理由を話す



「不安だったんだもん、
雅人1年もつきあってるのにキスもしてくれないし

ほかの子とはキスしたりエッチしたりするのに‥

あたしには魅力が無いのかなって、不安で」



背中を優しくさする雅人の手が止まって
あたしの顔を覗き込んでくる


「ねぇ、それ本気で言ってる?」


珍しく真剣な顔に
心臓がドキリと音を立てる



ちがう、ちがうの
いいたいことはこんなことじゃない


雅人があたしを好きかなんて
聞かなくても態度で分かる



「‥あたしだけみてほしかったのっ
他の女の子の感触なんて
忘れてほしかったんだもん」



ずっと強がってたけど
すきなひとが他の女の子を
どんな風に抱いたかなんて
聞きたくないし考えたくない




無言で聞いていた雅人が
あたしの頬を撫でた


ぱっと目が合うと見たこともないくらい切ない顔をしている



「花音ちゃん‥」


掠れた声で名前を呼ばれて唇が重なる


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