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わがままな氷上の貴公子
第12章  開宴


 「千絵ちゃん、おめでとう!」
 潤だけは、すぐに祝福モード。
「ありがとう……」
 和子さんも塔子も、祝福はしているが複雑な思いだろう。
 正直、勿体ない。
 千絵なら、年齢的にも四年後だってオリンピックを目指せるのに。
 でも千絵が決めたことなら、何も異論はなかった。
 結婚か……。
 オレには、縁のないことだろうな……。
 和子さんに言われた通り、オレに付いて来られる女はいないだろう。
 男のお前しかな……。
 盛り上がっている潤を見た。
「千絵。料理とか出来るの?」
「オリンピックが終わったら、練習するもん」
 千絵がコーチと結婚すれば、オレとの仲を信じ込んでいた赤坂もやっと分かるだろう。
 オレと千絵は“仲間”。千絵がスケートを辞めても、それは変わらないかもしれない。
「まだ、秘密だからね。引退発表はオリンピック後だけど、結婚については、特に発表しないから」
 一番心配なのは、潤かもな……。
 塔子の漫画の件のように、口を滑らせそうだ。それについて、オレに責任はないが。
「どうぞ。チョコレートフォンデュが出来ましたよ」
 色々な果物も運ばれ、テーブルの上がまたいっぱいになる。
 半分近くは、潤の食べ物だけどな……。
 千絵が和子さんも誘ってチョコレートフォンデュを食べた後、千絵と塔子は帰って行った。
 別に、もう会えないわけじゃない。まだオリンピックが控えている。
「あっ。悠ちゃんだあ!」
 潤が観ていたテレビのCMは、オレが出演した飲料メーカーのもの。
「買ってくるなよ……」
 今注目されているオレは、五社のCMに出ている。その商品を、また箱で持って来られたら堪らない。
 この飲料もさっきのチョコレートも、箱で届いているんだから。
 三階の隣の部屋に積んであるのを、言わないでおいてやる……。
 そこはピアノ室。子供の頃習っていたからグランドピアノはあるが、辞めて以来使っていない。
「じゃあ、私は失礼しますね」
 いつもの、和子さんの言葉。
 今日は、嫌な予感がする……。
 和子さんが帰った途端、思った通り羽交い絞め。
 もういいけどな……。


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