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わがままな氷上の貴公子
第3章  心配


 言葉はぼんやりとしか聞こえていなかったが、意味だけははっきりと分かる。
「欲しい?」
「んっ……。欲し、いっ……。あっ」
 それを聞いて満足したのか、潤がすぐに挿入してきた。
「あぁんっ!」
 太くて硬い塊に奥深くまで犯され、首を振る。
「悠ちゃん……。好きだよ……」
 耳元での不器用な囁きに、鼓動が跳ねた。この相手を、好きだという錯覚に陥る。
 激しいグラインドに合わせ、逞しい腕を掴んで腰を動かす。
「あぁっ、んんっ」
 潤滑剤がグチュグチュという音を立てると、耳まで犯されていくよう。
中からの熱が全身へと広がり、快感に包まれていく。
時折聞こえる、「悠ちゃんっ……」という掠れた声も心地好い。
「……っ、潤っ、んんっ」
 釣られるように名前を呼んだ。
 いつの間にか彼の腰へ腕を回し、もっとと促すように爪を立てる。
「あっ、はぅっ」
 潤の息遣いも速くなり、耳元にキスされた。
「悠ちゃん……」
「んっ、もうっ、あぁんっ! はぁっ……」
 吐き出した後も、グラインドは続く。
 真っ白な頭の中で、スマホの着信音が聞こえていた。


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