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わがままな氷上の貴公子
第7章  不安


 オレは今まで付き合った相手に、本当に心を許していなかったんだろう。
 潤は下だけを脱ぐと、猛った塊を秘蕾へ付けた。
「んっ……」
「悠ちゃん……」
 力を抜くと、少しずつ塊が挿いってくる。
「はぁっ……」
 今、他のことはどうでもいい。そう思えた。
 潤と一緒にいる。それが、オレにとって大切な時間だったんだ……。
「あぁっ」
 深くまで挿いろうとする塊を、腰をズラして導いた。
 内壁を擦りながら、入口を広げながら、逞しい塊が収まっていく。
「んんっ……」
「悠、ちゃんっ……」
 潤も、溜息を漏らしている。
 それが、今まで以上にいやらしく思えた。
「あぁっ、んっ」
 グラインドが始まり、潤の腕を掴む。
 自分とは違う、逞しい腕。逞しい体。
 そんな全てが、愛おしいと思った。
「はぁっ、あっ」
 そう思えば思うほど、熱が込み上げてきてしまう。
「あぁっ」
 大きな手で性器を扱かれ、体を捩る。
 それでもグラインドを続けられ、オレはすぐに放出してしまった。
「はぁっ……。んっ……」
 ぼんやりしていた頭が、潤のグラインドでまた快感に目覚める。
「あぁっ」
「悠ちゃん……」
 自然とオレも腰を使い、潤からの全てを受け止めようとしていた。


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


 だからって……。
 また三回もヤることないだろ?
 お前のセックスは、三回でワンセットかっ!?
 トレーニングじゃないんだぞっ!
 確かに、オレも夢中になっていた。そのせいで、何度イかされたのか覚えていない。
 起きたのは昼近く。
 明け方寝る前に予想して、もう一日追加しておいてよかった。昨夜、チェックアウトは10時だと聞いていたから。
 部屋が空いていたのも、幸運だったと言える。
 男同士でダブルの部屋を取るなんて、絶対に従業員は怪しんでいただろう。
 それも二泊……。
 支度が整ったら帰るけど、ラブホじゃないんだぞっ!
 救いは、和子さんが偽名でここを取ってくれたこと。
 チェックインの前に、その名前を憶えてから記帳してよかった。
「悠ちゃん。空港で、和子さんにお土産買って帰ろうよ。名物とかあるし。俺も、今日帰る予定だったから」
 潤は、相変わらずのニコニコ顔。


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