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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第5章 鉄拳の母

アルはメモを乗せたトレイをそっとカウンターの上に忍ばせた。


「‥!?」

カウンターの側でちょうど腰を休めたエバがそれに気付く。

‥ははぁ。あの、おチビちゃんだね‥


エバはにんまりと笑みを浮かべた。
トレイを見るとメモ書きらしき物に気付いた


──────
ごめんなさい!洗って返すつもりだったけど、洗剤がないことに後から気付きました‥ お湯で濯いでるだけなのでお願いします‥ps
すごく美味しくて幸せな気持ちになりました!
ありがとう!
────

エバは優しく目元を緩める。

「ふっ…子供なのに気を使って…幸せになったてぇ?…こっちこそ幸せな気分だよ…ふふ」


小さく呟くとエバはメモ紙を大事そうにエプロンのポケットにしまった。

「さぁっ、こっちにも洗い物があるからね!」

厨房の若手コック達に喝を入れるように声を張り上げる。
そして何かに気が付いた。手にしたトレイをよくみるとカップが4つ フォークも4本…

「‥はて?」

エバは首を傾げながら仕事に戻っていった──









部屋に戻ったアルはすぐにベッドに潜りこんだ。

 一つのベッドにティムとマーク。もう一つの方にアルとジョンとユリア‥

ベッドが大きいおかげで三人川の字に寝てもまだ余裕がある。それでもアルは子供達に寄り添った‥
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