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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第9章 息子の独白~書店にて~
ジヨンが哀しげな表情で言った。
「あの時、僕が本当の父は誰かと聞いた時、母には嘘でも良いから、今の父上が本当の父だと言って欲しかった。さもなくば、せめて泣きながら真実を打ち明けるとか、自分の犯した重大な罪について、いささかなりとも悔いるところを見たかった。だけど、母はまるで自分は当然のことをして、当然の結果だというように僕に答えた。僕は真実を知ったのもさることながら、無邪気に笑っている母の方に正直、寒気がした」
「あの時、僕が本当の父は誰かと聞いた時、母には嘘でも良いから、今の父上が本当の父だと言って欲しかった。さもなくば、せめて泣きながら真実を打ち明けるとか、自分の犯した重大な罪について、いささかなりとも悔いるところを見たかった。だけど、母はまるで自分は当然のことをして、当然の結果だというように僕に答えた。僕は真実を知ったのもさることながら、無邪気に笑っている母の方に正直、寒気がした」