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第10章 真実と王の嫉妬

　チェスンは改めて義憤に駆られていた。牢番について通路を進むチェスンに、牢の一つから声がかかった。




「旦那さま（ナーリ）、お願いだ。助けてくれ。俺は無実の罪でとっ捕まっちまったんだよう。俺の奉公先の旦那が女房を手籠めにしようとしたから、俺は止めに入っただけなんだ。なのに、旦那は俺が訳なく暴れて旦那を殴ったって言うんだ。頼む、国王殿下にお願いしてくれ。俺は無実なんだからよう」