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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第10章 真実と王の嫉妬
「生まれながらの両班であれば、確かに日々の暮らしに不自由はありません。けれど、殿下、考えてみて下さい。女性の立場は、我が国では低いのです。女は嫁ぐ前は親に従い、嫁いだ後は良人に、良人亡き後は子に従えとさえいわれます。シム家の奥方はご夫君にも引けを取らない学才の持ち主でした。男として生まれていたら、朝廷で政治家として活躍したでしょう、事実、夫人も男に生まれたかったと、これはご子息にしばしば洩らしていたようです」