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第10章 真実と王の嫉妬

　ソンは思い乱れる思考を振り払うかのように、踵を返して歩き出した。これからまた領議政が訪ねてくる約束になっている。



　あの老人も、最近はしかるべき家門から新しい妃を迎えろというのが口癖になっている。願わくば、今日のところは世継ぎの話が出ませんように。ソンはどこか悲愴な覚悟で、いつものように大仰すぎる数のお付きを従えて大殿への道を辿った。