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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第13章 対立
左議政が真摯な声音で続けた。
「殿下、どうかよくお考えになって下さい。これより先、仮に淑媛さまがご懐妊なさらなかった場合、この国はどうなるのですか? 殿下はお健やかで、まだお若い。なれど、誰にでも万が一ということはあり得るものです。現に、先王殿下も殿下の父君さまも相次いで早く亡くなられました。さりながら、殿下というご立派な世継ぎの君がおられたからこそ、この国の玉座は安泰でした。仮に今、殿下の玉体に何かありしときは、我らはどうすれば良いのでしょう?」
「殿下、どうかよくお考えになって下さい。これより先、仮に淑媛さまがご懐妊なさらなかった場合、この国はどうなるのですか? 殿下はお健やかで、まだお若い。なれど、誰にでも万が一ということはあり得るものです。現に、先王殿下も殿下の父君さまも相次いで早く亡くなられました。さりながら、殿下というご立派な世継ぎの君がおられたからこそ、この国の玉座は安泰でした。仮に今、殿下の玉体に何かありしときは、我らはどうすれば良いのでしょう?」