この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第13章 対立
領議政が顎下から垂れた白髭をおもむろに撫でた。
「それにしても解せぬのは、殿下ではなくむしろ、そなたの方だ。殿下が王妃を娶られぬと言い張られるのは、今は淑媛さまに夢中になっているからだとは判る。若いときというのは誰しも一人の女に入れ込む時期はままあるものゆえ。されど、そなたは淑媛さまの養父ではないか。普通、養父であれば、娘の幸せを願うものだ。儂は礼判の口から王妃を迎える懇願を聞くのなら納得はゆくが、淑媛さまの父たるそなたから、そのような話を聞くとは心外でならぬ」
「それにしても解せぬのは、殿下ではなくむしろ、そなたの方だ。殿下が王妃を娶られぬと言い張られるのは、今は淑媛さまに夢中になっているからだとは判る。若いときというのは誰しも一人の女に入れ込む時期はままあるものゆえ。されど、そなたは淑媛さまの養父ではないか。普通、養父であれば、娘の幸せを願うものだ。儂は礼判の口から王妃を迎える懇願を聞くのなら納得はゆくが、淑媛さまの父たるそなたから、そのような話を聞くとは心外でならぬ」