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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第14章 波紋
 チェスンの悲鳴のような声だけがその場に虚しく漂った。チェスンは思った。王だけが出てゆき、自分に出てゆけと命じられなかったのは、せめてもの王の恩情だったのではないか、と。何故なら、夜伽を務めている最中、王の怒りに触れ、寝所を追い出されるなど、屈辱以外の何ものでもないからだ。
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