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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
「これは?」


 物問いげな瞳に、ソンは辛抱強くもう一度繰り返す。



「だから、そなたへの贈りものだ」





 チェスンは予想外の展開に戸惑っているらしく、受け取ろうとはしない。ソンは少し落胆しながらも、蝶飾りのついた牡丹色の風呂敷を開いた。
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