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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第14章 波紋
臈長けた大人の女性として再会した後も、彼が紫陽花の花束を贈ったら、言われた。
―殿下、花がいちばん美しいのは、やはり大地に足を付けて咲き誇っているときです。一度摘まれてしまえば、花はその生命の輝きを失ってしまいます。ゆえに、どうか次からは花束の贈り物はなしにして下さい。もし、私に贈って下さりたいと思し召した花があれば、どうぞ、その場所に私をお連れ下さいませ。そうすれば、私は自分の眼で花の美しさを堪能できます。それで十分です。