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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第16章 花の見る夢
 室の扉がカタリとかすかな物音を立てて開いた。崔尚宮は振り向こうとして、慌てて居住まいを正し立ち上がった。




「国王殿下」





 深々と腰を折り、王への敬意を示す。若き国王はシッと人差し指を口に当てた。暗に騒ぐなと言っているのだ。
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