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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
 饅頭を無邪気に頬張る彼女もまた、まさしく十一歳だったチェスンの面影を思い出させる。




 漸く饅頭すべてを飲み込み、チェスンが弁解するように言った。






「回りの娘たちがあまりに小食なので、自分だけたくさん食べるのは恥ずかしくて」
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