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第17章 第四話　　愛心　【誘惑～temptation～】　後編

「チェスン、殿下のことだが」



　言いかけたヨクに、チェスンは凛としたまなざしを向けた。





「お父さま、ご無礼な物言いは承知で申しますが、今、私が殿下のおんためにして差し上げることは何もありません。私は既に廃位された身にすぎず、国王さまは雲の上におわすお方。ですから、私は自分にできることを一つ一つやってゆこうと思います。無力な自分なりに、ここであの方のためにできることは何かを考えようと思います」