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第19章 想い逢う

「ご住職さまの仰せのとおりですね。花は誰が見てもいないのに、こうして時が来れば自ずから咲き、また、ひっそりと散ってゆきます。私たちがこの世からいなくなって、どれだけの時代が巡ろうとも、この花はずっと咲き続けるのでしょうか」





　吹き降りになった雪が山茶花の上にもはや薄く積もっている。雪を頂いた花冠が真冬の寒風に身を震わせていた。都から輿で揺られること半日余りのこの寺は、急峻な山々の懐に抱(いだ)かれている。