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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第4章 秘密

二人の足下には深い海色に染まった紫陽花が群れ咲いている。他にも宮殿から庭園に至る小道沿いに様々な色の紫陽花が植わっている。
「私はお花が大好きです。この花束もとても綺麗だと思います。ですが、殿下、花がいちばん美しいのは、やはり大地に足を付けて咲き誇っているときです。一度摘まれてしまえば、花はその生命の輝きを失ってしまいます。ゆえに、どうか次からは花束の贈り物はなしにして下さい。もし、私に贈って下さりたいと思し召した花があれば、どうぞ、その場所に私をお連れ下さいませ。そうすれば、私は自分の眼で花の美しさを堪能できます。それで十分です」
「私はお花が大好きです。この花束もとても綺麗だと思います。ですが、殿下、花がいちばん美しいのは、やはり大地に足を付けて咲き誇っているときです。一度摘まれてしまえば、花はその生命の輝きを失ってしまいます。ゆえに、どうか次からは花束の贈り物はなしにして下さい。もし、私に贈って下さりたいと思し召した花があれば、どうぞ、その場所に私をお連れ下さいませ。そうすれば、私は自分の眼で花の美しさを堪能できます。それで十分です」

