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第5章 宿命

　夜伽を務めるための準備は、正室、側室の身分を問わない。まず、夕刻からの湯浴みに始まる。清潔な湯が満々と湛えられた浴槽が準備され、数人の女官がよってたかって夜伽を務める女を磨き上げる。





　が、今回、ムスリの娘は断固として入浴の介添えを拒否した。前代未聞のことに、その場を取り仕切る尚宮は女官長に報告したものの、女官長はあっさりと言った。