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第5章 宿命

　ソンの手が動きを止めた。チェスンの顔の両側に手をつき彼を囲い込んだまま、真上から彼を見下ろす。


「嘘を申すな。俺から逃げたい一心で、この期に及んで、そんな途方もない偽りを口にするのか」




　そこまで相手が自分を拒絶するかと思えば、惚れているだけに余計に憎しみは勝る。空言(そらごと)などに惑わされず、さっさと抱いてしまえば良いのだと己に言い聞かせ、半分解けかけた紐を勢いで一挙に解く。