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第5章 宿命

　腕利きの武官と打ち合っても引けを取らない剣技の持ち主なのだ。日頃から、武芸の鍛錬も欠かさず、同じ男とはいえ、チェスンの抵抗など取るに足りないものだ。到底、ソンに敵うはずもない。





　だが、相手も必死の力だから、一瞬の隙を突かれた。両手で胸を押し返され怯んだその間に、チェスンは身を起こし寝台からすべり降りようとした。