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第6章 愛は憎しみを越えて

　しばらく王から言葉はなかった。チェスンは急かそうとはせず、応えを待つ。やがて、ひそやかな吐息が洩れた。




「俺には、そなたがいる。妻は一人で十分だ。生憎と俺は大勢の女の機嫌を取れるほどの女タラシじゃない」





「そういう問題ではないでしょう。あなたは王だし、きちんと王妃を迎えて世継ぎを残す義務があるのでは？」