この作品は18歳未満閲覧禁止です
逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第6章 愛は憎しみを越えて
チェスンは褥に身を起こした。淡い闇に浮かび上がる王にひたと視線を据え、真摯な瞳で告げる。
「あなたは、ちゃんとした王妃を迎えるべきです。私が幼い頃から、両班や王族は私たち平民など虫けらのようにしか見ていない人ばかりだと思ってきました。殿下、あなたは王族とはいえ、他人を気遣うことのできる優しい男です。民のこともちゃんと考えています。あなたなら、きっと良い王になるでしょう。私は、あなたにこの国の王でいて欲しいのです」