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第6章 愛は憎しみを越えて

　男だと露見する前から、王への恋情は自覚していた。だが、彼が強引に我が身を側室とした時、王への恋心も消え果てたと思い込んでいたのだ。
　やはり、あの身勝手な男は、両親を殺した憎い仇の息子だと改めて王への憎しみを再認識したはずだ。






　なのに、それはチェスンが自分自身を無理にそう信じ込ませ、都合の良いように現実から眼を背けていたにすぎなかったというのか。