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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第6章 愛は憎しみを越えて
チェスンは遠い瞳になった。
「いや、あなただけではないのでしょうね。この国の歴代の王も多分、似たようなものだったのかもしれません。王は、玉座に座るということは、きっと私のような民には想像もできないような苛酷な道なのでしょう。あなたは若くして、この国の民をその背に背負いました。王だからと弱音を吐きたくても吐けない。きっと辛いこともたくさんあったはずです。そんな男(ひと)を殺せないし、殺して良いはずがない」