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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第6章 愛は憎しみを越えて
産み落とした娘が二つになるかならないかのまだ春浅い日、自ら庭の樹で首を吊って亡くなった。その四年後、月季の残した一人娘も乳母が眼を離した隙、道に転がり出た鞠を拾いにゆこうとしたところ、荷馬車に跳ねられた。即死だったという。
「本当に気の毒な母娘でした。商団の行首は悪い男じゃなかったし、男気のある人でしたから、月季の忘れ形見を実の娘のように可愛がってくれてましたからねぇ。本妻さんに子どもができなくて、チェスンにいずれは婿を取って商団を継がせようとまで言っていたんですけどね」
「本当に気の毒な母娘でした。商団の行首は悪い男じゃなかったし、男気のある人でしたから、月季の忘れ形見を実の娘のように可愛がってくれてましたからねぇ。本妻さんに子どもができなくて、チェスンにいずれは婿を取って商団を継がせようとまで言っていたんですけどね」