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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第2章  Q 02「疑問の意味」


  (前回の問い)
Q 01 次の問いに答えよ
「1人だけで考えないで、
誰かを頼ってごらん。
理由なんて必要無い。
信じ会えば、道は開ける。
助け合うことは大事だ。」


「どうして、一行目だけ改行してあるんだ? その後は、読点で続けてあるのに……」
 拓也の言葉に、美織が目を見開いた。
「……ひ、だ、り、し、た?」
「ええっ?」
 三人同時に声を上げ、美織を見る。
「不自然な改行があるって言うから。最初の文字だけを、縦に読んだの……」
「左下だっ!」
 奏汰が部屋を見回し、チェストに目を留めた。
 すぐに左下の引き出しを開け、中を見たが何も無い。だが奥に手を入れると、甲に何かが当たった。
「ん?」
「奏ちゃん、気を付けて。偶然かも……」
「何かあるぞっ!」
 三人が近付くと、ベリッと音がした後、奏汰が鍵を取り出した。
「上に、ガムテープで貼ってあった」
「それでドアを開けてみよう」
 四人はドアの前に集まり、奏汰が鍵穴に差す。
 カチリと言う音がして、ドアは外側に開いた。
「やったぜ! 凄いな、みお」
「拓也の、言葉のお蔭……」
「良かったー」
 梨沙が美織に抱き着く。
「安心している場合じゃないよ……」
 ドアを開けた所は、短い廊下。両側は壁になっていて、その数メートル先にはまたドア。
 見ただけで玄関ドアと違う素材だと分かり、梨沙がしゃがみ込む。
「またぁ?」
「梨沙、行こう……」
 美織が言った時には、拓也と奏汰はもう先のドアを開けていた。
「ん……。でも私、ホントに推理なんて出来ないよ。そういうの、苦手だもん」
「大丈夫。四人一緒なら、何とかなるよ」
 美織が笑顔を作ってみせる。
「美織はいいよ。成績もいいし、さっきの暗号も解いちゃうし……」
 梨沙は、立ち上がって美織を見た。
「今は、成績なんて関係ないよ。梨沙だって……」
 話の途中で、梨沙は新しい部屋と歩き出す。
 実際、美織と拓也の成績はトップを争う程だが、梨沙と奏汰も充分上位クラス。美緒からすれば、その成績を保ちながら流行に詳しかったりする梨沙が羨ましい。
 美織も急いでドアを入ると、さっきよりは広い部屋。
 四人はそれぞれ、床に置いてあった大きめの袋を手にした。一つずつに、フルネームが書いてあり、背負えるようになっている。
「コレ、何ぃ?」


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