この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第2章  Q 02「疑問の意味」


「奏汰?」
 梨沙が見上げていると、奏汰は「ここだっ!」と言って、部屋の角を指差す。
 そこを見た三人が確認したのは、小型のカメラ。
「そのままにしておいた方がいいよ。写しているのは、何か理由があるはずだから」
 拓也の言葉に頷いてから、奏汰が床へ戻って来た。
「コレ、食べても大丈夫なのかなぁ」
 梨沙がワゴンを押してきて、軽食を持ち上げる。
「えっ? 何かあるっ」
 ワゴンを見た梨沙は、上にあるものを全てテーブルへ移す。その間に、三人が集まって来た。
「手紙?」
 言いながら、拓也がそれをすぐに開封した。さっきの手紙と同じで、口にはQと書かれたシール。


「私達は、君達を殺すつもりはない。見守りたいだけだ。毒など入っていないので、ささやかな休憩を楽しんだ後、謎に挑むといい。」

Q 02 疑問の意味
「南から陽が昇る場所で、その光を全身で浴びろ。左手で鼓動を感じた時、その闇の方角に答えがある。その方角とは?」


「取り敢えず喰おうぜ。毒は入ってないって書いてるし」
 奏汰が、下の段にある小さなサンドイッチを手に取った。
「奏ちゃん、大丈夫?」
 向かいに座った美織が、不安気に奏汰を見る。
「軽率なことは……」
 拓也が言った時には、奏汰は食べ始めていた。
「美味いっ。みんなも喰えよ。薬で眠らされてから、少なくとも……。十五時間近くは、何も喰ってないじゃん」
 誰かが食べるのを見ると、みんな急に腹が減ってくる。
 梨沙は美織の隣へ座ると、紅茶を飲んだ。
「美味しいよ」
 そう言ってから、上段のケーキを食べ始める。
「クッキーは、取って置いた方がいいと思うんだ」
 奏汰の隣に座った拓也が、三人を見回す。
「非常食?」
 美織の問いに、拓也が頷く。
「クッキーなら、数日後でも食べられるだろう?」
 拓也が言うと、梨沙がその場で立ち上がる。
「数日って……。十に時間以内に脱出って、書いてあったじゃない!」
「もし出られなかったら、私達、どうなるんだろう……」
 美織が心配なのは、心臓の薬が無いこと。医師から処方されたもので、毎日三回飲まなくてはならない。
 気休めにと、美織はサンドイッチを食べた。


/62ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ