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第1章 第1章 はじまり

ほんとに、ほんの暇つぶしだった。

つまらない毎日にほんの少しのスパイスになればいいかなと思ったチャットから、私がこんなに変わっていくなんて思ってもみなかった…。


都内、沢山の人が行き交う駅、その日私は物凄い緊張に包まれていた。

私、本当にいいのかな…いいよね？だって…
旦那が相手にしてくれないからって見知らぬ人に抱かれるなんて、倫理的にはダメだってわかってるけど…でも…もう…
いやいや、でも待ち合わせしちゃったし、会ってイメージと違ったら逃げちゃえばいいし！大丈夫！大丈夫！
まさか会ってすぐするわけじゃないだろうし…お茶だけかもしれないし…

そんな事を考えながら私はチャットで知り合った男と待ち合わせをしていたのだった。

なんでもない顔をしながら私は電車を降りた時から緊張でブルブルと震えていた。
その時、スマホにメッセージがきた。
『着きました、どんな服装ですか？どこですか？』

「本当に来ちゃった…ぉぇ、吐きそう…」ボソッと口に出しながら待ち合わせ相手を探しに歩き出す。

しばらく探していると中年の目つきの悪い背の高いガタイの良い男が人を探しているようにウロウロしているのが目に入った。

あ、たぶんあの人だ…どうしよう…逃げようか…でもチャットでは良い人だったし…見た目は怖そうだけど…あぁん！もう！女は度胸よ！いったれ！

「あ、あの…もしかしてSさんですか？」と自ら声をかけた。

『あ！もしかしてめぐみさんですか？』

これがチャットで知り合って、のちにパートナーになる男との出会いだった。