この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第7章  タモツ 


 岸井さんは暫くそうした後で、きっと鋭い視線を向けた。

「私、病気なの」

「?」

「アハハ! といっても、頭の中身が病んでるって意味じゃないよ。ホント、真面目な病気なんだ」

 彼女のいう「真面目な病気」という表現に独特なものを感じながら、続く言葉を聞いた。

「だから、一人じゃ心細いの。だから、晶と別れて」

 たとえそれがどんな病気でも、そう言われただけで納得できる話ではない。

「美里さんは、なんて言っているんですか?」

 そう聞くと、岸井さんはまるで言葉が聴こえないような素振りで、視線を泳がせた。

「あなたに言われて『別れます』というわけにはいきませんから。どの道、美里さんと話してみないと――」

 すると、こちらの言葉を遮るように、そっぽを向いたままの岸井さんが言う。

「卑怯だと思う?」

「え?」

「病気だってことを盾にして、晶の情の深さにつけこんで……私って、卑怯だよね」

「……」

「こんな、私みたいのを相手にする時はさ。キミだって、手段を選ぶ必要はないんじゃない? ふざけんな! 二度と近づくな! って、力で追い返せばいいじゃん」

 そう言った岸井さんの目が、ぎらりと光った。

 ああ、この人は本気なんだ。そう感じながら、彼女に言われたことを、もう一度、頭の中でよく考えてみた。それから――

「そうですね。僕だって、卑怯者にはなりたくないです」

/376ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ