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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均
ちゃんと知り合って、たったの三日目。
ちょっとした行き違いから、彼女の部屋に招かれ。そして僕は、あろうことかいやらしいマッサージ器で、岬ちゃんのことをいじめた。
自分でない自分に成り代ると、そこに欲望を託したのだ。
結果、彼女は泣いている。急変した僕の性質を、怖く思ったのかもしれない。いや、きっとそうだろう。
「あの……ご、ごめんなさい」
もう遅いかもしれないけど、とにかく謝るしかないと思った。声も態度もすっかり、いつもの山本均に戻っていた。
それに対し、岬ちゃんは言う。
「……いいんです」
首を小さく振り、その後でゆっくりと身体を起こした。そして、ベッドの上で僕と向かい合う。
「いいって……だけど」
泣いた顔で、濡らした股間を手で押さえたまま。岬ちゃんは、またポロリと大粒の涙を零す。
「わたしこそ……こんなにもエッチで、ごめんなさい」
そういって、なんともいえない切なげな顔を涙で濡らしながら、それでも岬ちゃんは微かな笑顔を浮かべる。
「岬……ちゃん?」
そんな彼女を見つめながら、僕の胸は大いに高鳴ってしまうのだ。
一体彼女と、これからどう接してゆけばいいのか。このはじまりに不安を覚えながら、僕はじっと不思議な彼女の素顔に見惚れていたのである。
【第一章・終わり】